映画『聲の形』で、終盤に西宮硝子がベランダから飛び降りたシーンに疑問を感じた方も多いのではないでしょうか。
花火大会で石田と2人きりで花火を楽しんだあとの、唐突とも思える硝子の行動。
今回はなぜ西宮硝子がベランダから飛び降りたのか、理由3つを調査・考察してみました。
【なぜ?】西宮硝子が飛び降りた理由3選
①『自分』という存在が石田や他の人を不幸にすると思っていたから
硝子が飛び降りを図った理由として大きなものが、『自分』という存在が周りを不幸にするからだと思います。
夏休み直前にいつもの橋に集まった、小学~高校のつながりのある8人。
橋に集合した8人:石田将也・硝子・結絃・川井・植野・佐原・長束・真柴
小学校での硝子に対するいじめについて話し出したものの、結局仲違いして最終的には硝子を気にかけてくれる石田がまた悪者になってみんなに強くあたって解散してしまいました。
耳が不自由な硝子は話に割って入ることができずに、ただただその場にいて無力感を感じてしまった部分もあったと思います。
目の前で石田の友人たちが、自分のせいで石田から離れていってしまったことに強い責任感を感じてしまった硝子。
その後強がりで明るく接してくれていた石田に申し訳ない気持ちから、ふと消えてしまおう=飛び降りという決断になってしまったと考えました。
硝子は石田のことが好きだったから尚更そう思ってしまったのかも
②直前に祖母・西宮いとが亡くなったから
西宮硝子が飛び降りるシーンの少し前に、妹の結絃が川で泣いてたシーンがありました。
それに気づいた石田が結絃に付き添った先が、祖母・西宮いとの葬儀場でした。
硝子と結絃のことが大好きで、2人の心の支えでもあった祖母・いとの死。
いつもシソジュースを作ってくれていた祖母の死に直面した硝子は死を身近に感じ、優しい祖母に会えるかも(会いたい)という想いが芽生えてしまったのかもしれません。
③心が繊細だから
硝子が飛び降りを図った理由については、硝子の性格や繊細さが原因であるようにも考えられます。
硝子は耳が聞こえないという障害を持って生活してきたので、すべて自分が悪い=自己肯定感が低い性格になってしまっていたようです。
コミュニケーションの困難や失敗を日常的に経験してきたせいで、他人との摩擦を避けるため、愛想笑いがくせになっている。
聲の形
また病院で先生に何か言われるシーンから、ベッドで泣いていた硝子。
右耳を触りながら補聴器を外していて、医者から「右耳の聴力がほぼなくなっている」というようなことを宣告されたと捉えられるシーンがありました。
今後聴力が戻らないという将来への悲観も、硝子が飛び降り自殺を図ってしまった要因になっている可能性も考えられます。
硝子という字が『ガラス』とも読めるように、繊細な心の持ち主なのかもしれません。
全ての不幸を終わらせるためには、自分がガラスのように割れて消えてしまうのが一番という気持ちも少なからずあったのかもしれませんね。
>>作中で気になる川井みきの存在!彼女が嫌われる理由についてはこちらでまとめています。
【ネタバレ】西宮硝子が飛び降りたあと・・石田将也と硝子はどうなった?
硝子の飛び降り自殺を助けた石田将也は、一時意識不明になりましたがその後回復しています。
石田は硝子を助けて池に落下するも生存
硝子が自宅のベランダから飛び降りるのを目撃した石田将也は、間一髪で硝子の手を掴みます。
石田のおかげで硝子は助かりましたが、代わりに石田将也が池に落ちて入院しました。
一時意識不明となっておりネットでは死亡説もありましたが石田将也はいきなり目を覚まし、同じく夜に石田の夢を見た硝子と同じタイミングで例の橋に向かいます。
橋の上で再開した2人。
硝子は石田を幽霊?と思ったのか、人差し指で身体を触って確認。
石田も硝子が助かったとは知らないまま昏睡状態となっていたようで、硝子の姿を見て安心しその場に座り込んでいました。
高校で仲間たちと再会し再度打ち解ける
その後退院した石田は硝子とともに高校の文化祭の日に久々に登校しました。
喧嘩別れしていた仲間たちと久々に会い、今度はきちんと打ち解けて温和なムードに包まれた石田将也や西宮祥子達。
最後のシーンでは将也が顔を見れないことで、×印がついていた周囲の人たちの顔から×が剥がれ落ち、本当の意味で聲を聞けるようになった石田将也。
硝子とのきずなもさらに強くなったように見え、ハッピーエンドとなりました。
【原作】最終回は成人式で集合している
映画版では高校の文化祭でみんなと打ち解けて終わりとなっていましたが、原作の最終回は成人式の集合でした。
高校卒業後、硝子は理容師になるために上京し、石田は地元の理容学校に進んでいます。
そして20歳の成人式で再開した仲間たち。
夜に開催される小学校の同窓会会場に向かう、西宮硝子と石田将也。
小学校のイジメの記憶は2人にとってツラいものですが、石田が硝子の手を取り会場の扉を開けて過去の記憶に一緒に向き合うというシーンで終わっていました。
2人が交際していた(いる)という描写はありませんでしたが、成人式でも硝子の姿を必死に探していた石田が描かれていたので、少なからず石田は硝子に好意を持っていたのかもしれません。